- DINKsが本当に幸せかどうか
- 現役DINKsのリアルな感想
DINKsは、昨今注目を浴びている新しいライフスタイルです。実際のところ、DINKsの生活は幸せなのか、気になる人も多いんじゃないでしょうか。
本記事では、子どもを持つか、それともDINKSとして生きるかを悩んでいるご夫婦やカップルの参考になるように書きました。
私と同じ現役DINKsの方も、自身の生活の振り返りに役立つと思いますので、ぜひ最後までご覧くださいね。

私がDINKsを選んで良かったこと、後悔したことも紹介しているよ
DINKsって本当に幸せ?DINKsのリアル
DINKs4年目である私は、DINKsを選んで幸せになっていると感じます。
しかし、DINKs家庭ならどこも幸せなのでしょうか?
ここでは、DINKsのリアルや実態について解説していきます。
DINKsを選ぶ理由
DINKsを選ぶ主な理由は、以下の通りです。
- 経済的/時間的に余裕を持ちたい
- 自分の仕事に専念したい
- 子どもを作りたいけど作れない
- 肉体的/精神的な疾患がある
DINKsを選ぶ理由として、よく見られるのが「経済的/時間的に余裕を持ちたい」「自分の仕事やキャリア形成に専念したい」です。
子どもを産まないだけで、子どもにかかる養育費や世話の時間は全てなく、自分の時間が格段に増えます。
私自身もDINKsを選んだのは「妻との時間を最優先で確保したい」「お金は自分や妻へできるだけ使い、夫婦の幸せを優先したい」という思いからです。
また特に意識していませんでしたが、勤務中は仕事に完全に集中できるので、結果的に自分の仕事に専念できるようになりました。

子どもが急に熱を出したとか、学校の先生から緊急連絡が来るとか、仕事以外のことを考える必要がないのは、DINKsのメリットかもしれないね。
しかしDINKsの中には、子どもを望んで妊活しているのに子どもを授からない、結婚した年齢が遅くリスクを考えると出産を断念したご夫婦もいます。
ご夫婦のどちらか一方もしくはお二人とも肉体的精神的な疾患があるために、子どもを作って育てられない方々もいらっしゃると思います。
つまり今DINKsだからといって、初めからDINKsになりたくてなった人たちばかりではない、ということです。

DINKs=自由を謳歌している幸せ夫婦、ではないって思って欲しいな
それほど裕福ではない
子どものいる家庭の中には、DINKsならお金に余裕があるでしょ?と思う人もいるかもしれません。
実際私は職場の上司に「子どもがいないなら老後まで楽勝だって!」と何度も言われます。
本当は、DINKsだってそれほど裕福ではないです。
転職サイトのdodaによると、日本人の年収の中央値は380万、男性は420万、女性は340万と言われています。
年収中央値 | |
---|---|
全体 | 380万 |
男性 | 420万 |
女性 | 340万 |
共働き世帯になりますと、合計して世帯年収は約700〜800万です。
一見裕福そうに見えますが、近年では物価の高騰が激しくなっています。
総務省の「2020年基準 消費者物価指数」 によると、2020年と比較して2024年には約17%食料品の物価が上がっています。
近年の物価上昇率 | 食料品 | 住居費 | 光熱費 水道代 |
---|---|---|---|
2020年 | 100 | 100 | 100 |
2022年 | 104.5 | 101.3 | 116.3 |
2024年 | 117.8 | 103.1 | 112.8 |
食料品以外にも住居費や光熱費、水道代も上昇傾向にあります。
物価上昇に反して、ここ数年で年収が増えたと感じた人は少ないんじゃないでしょうか。
日本経済新聞では、2025年1月に実質賃金が4ヶ月連続で減少したと報じています。
実質賃金とは、「給料の本当の価値」のこと。
働いて1000円もらったとします。
コーヒーが今500円としたら2つ買えるけど、来年1000円になったら、コーヒーは1つしか買えません。
この場合、もらった1000円の価値は50%減ったと言えて、実質賃金が減少したといいます。
見た目の世帯年収は多いように見えますが、実際のところ物価の上昇が著しく、見た目ほどの経済的余裕はないように思います。
私の家の近くのスーパーでは、数年前と比較して米の価格が150〜200%上昇していますので、家計をかなり圧迫しているのが現状です。
老後までの資産形成のことを考えると、経済的にそれほど余裕があるとは言えません。
DINKsになりたくてなった夫婦ばかりではない
DINKsの中には、DINKsになりたくてなった夫婦ばかりではありません。
子どもが欲しくて不妊検査や治療を受けたことある夫婦は、4.4組に1組と言われています。
厚生労働省:「不妊治療と仕事との両立サポートハンドバック」※P2〜
たとえ妊活を夫婦そろって積極的に取り組めたとしても必ず子供を授かるとは言えず、やむなく妊活を終える夫婦もいらっしゃいます。
DINKs=自分で選んで自由を謳歌している夫婦、ではないということです。
DINKsだから幸せと決めつけてしまうと、そのご夫婦を傷つけてしまうかもしれませんね。

事情があってDINKsを選んでいる人もいる。自発的にDINKsを選んでいる僕らも「DINKsだから自由も幸せもいっぱい」なんて思わない方がいいね。
私がDINKsで良かったこと
私たち夫婦は現役でDINKs生活を過ごしています。
DINKsで良かったことってなんだろう?と気になる人も多いんじゃないでしょうか。
ここではリアル現役DINKsが「DINKsで良かったこと」を紹介します。
日々の支出を把握しやすい
DINKsだと、日々の支出の把握がしやすくなります。
子どもが急な病気で入院した、家族で外出した時に思わぬ大きな買い物をした、といった予想外の出費はDINKsでは起こりにくいです。
一年間通しての予算管理やもっと先を見越したライフプランの計画が立てやすくなります。

我が家では家計簿アプリで毎月の予算を決めて、一定額の貯蓄を目標にしているよ。僕は個人的にも家計簿アプリを使って、資産管理しているんだ。
支出も貯蓄も夫婦二人の意思で決められるので、もし大きな支出が将来あっても、前もって計画的に貯金ができます。
何年後にいくらの資産が貯まっているのか、を把握できると想像以上に安心感が生まれます。
日々の家計管理、資産管理がしやすくなったのはDINKsで良かった点ですね。
時間的な余裕が十分にある
DINKsになると時間的に余裕が出てきます。
子育ては24時間体制とも言われます。小さい時は全く目が離せず、少し大きくなっても塾や習い事の送り迎え、休日に家族サービスで外に遊びに行かないといけない、というイベントは子育てにはつきものです。
それが楽しい、という人もいるでしょうが、客観的に見ると子どもに時間を取られていると見れます。

僕自身も子育てって楽しそうと思うけど、時間的・精神的負担は大きいんだろうなと思うな。
DINKsで二人の時間が増えることで、一緒に好きなYoutubeやNetflixも見れますし、好きなタイミングで外食にもいけます。
休日に二人で1日中寝て過ごす、なんていうことも可能です。
時間的に余裕ができたことは、DINKsを選んで良かった点ですね。
自分の人生に集中できる
DINKsになると自分の人生に集中できます。
例えば、仕事においてはキャリアアップに専念しやすくなります。新しい資格取得や転職、海外勤務といった選択肢も増え、家庭の事情に縛られません。
「家か仕事か」の選択に悩むことはほとんどないです。

自分の人生の可能性を広げられるのは、DINKsの大きなメリットかな。
自分だけでなく、二人の人生に集中できる点もDINKsならではのメリットです。
趣味や自己投資の時間をたっぷり取るなど、お互いに自分の時間を自由に使えます。
平等な関係をDINKsでは築きやすく、片方が子育ての時間に手間を取られるといった不公平な強い負担はあまりありません。
お互いがお互いの時間を十分確保でき、自分たちにとって最適な暮らしを追求できるのはDINKsの大きな魅力と言えます。

仕事の悩みや日々の不満の相談をしやすいのもDINKsならではかな。
私がDINKsで後悔したこと
DINKsだからって良いことばかりではありません。
DINKsを選んで後悔してることって何?と気になる人も多いはず。
ここでは、リアルDINKsが考える「DINKsで後悔したこと」を紹介します。
会社で微妙な空気になる
「うちでは子どもを作りません」と会社で公言すると、職場で微妙な空気になるのはDINKsを選択して後悔した点です。
結婚している若い方なら、職場で必ず「子どもは作るの?」と質問されませんか?
私は部長、課長、主任、全員からこの質問をされ、私の回答を聞いて全員微妙な雰囲気になりました。
社会的にまだまだ浸透していないDINKsに対して、特に私よりも年配の方には「子どもを作らないのになぜ結婚したのか?」という疑問が拭えないのだと思います。

隠す必要がないから正直に話すけど、やっぱり「変わってる」とは思われるね。
飲み会の席でも再三「子どもは作った方がいい」「子どもを作って一人前」という話を何度も聞かされます。
最終的には笑ってやり過ごしますが、場の空気は微妙な感じになるし、正直いい気分ではないです
会社で「子どもなんで作らないの?」と言われる度に、DINKsであることを少し面倒に感じます。
大きなイベントがほとんどなくなる
DINKsだと、大きなイベントは子あり夫婦に比べるとほとんどありません。
- お互いの誕生日
- 結婚記念日
- 親戚や家族、友達の冠婚葬祭
- 節分、お盆、クリスマス、年末年始などの年中行事
子あり夫婦であれば、これらに加え子どもの学校行事や入学試験、部活の大会に就職、誕生日や結婚などといったイベントがやってくると思います。
年間を通してイベントが少ないので、DINKsでは意識的にイベントを考え二人でお祝いをしないと、夫婦生活が日常の繰り返しになって退屈になりがちです。

イベントを考えるのは楽しいけど、面倒に感じることもあるかな
ぼーっとしてるとマンネリ化した、つまらない人生になってしまいそうなのは、DINKsになって後悔することです。
老後の心配は尽きない
DINKsは、老後の問題を抱えやすいと言われています。
子どもがいれば、老後に何かあったときに頼れる存在になるケースもありますが、DINKsなら完全に自立した老後を計画する必要があります。
「老後資金は年金と貯金で足りるのか」「老後まで健康な体を保てるのか」「老後まで生きがいを持って生きているか」と考えるとキリがありません。

死ぬまで自分で自分のことは守り切る覚悟がいる、と僕は感じているよ
子育てコミュニティという子あり夫婦なら自然と持てるコミュニティに入れていないのも、痛手になるかもしれません。
もし新しい人間関係や人脈を作るのに失敗すれば、老後は二人にとってとても寂しい生活になるかもしれません。
老後の心配が尽きないのも、DINKsを選んで後悔することです。

老後に孤独で困らないように、積極的に新しい人間関係を作っていきたいね
まとめ
本記事では、DINKsのリアルや現役DINKsの夫目線でDINKsについての考えをご紹介しました。
DINKs=自由で裕福で幸せ、ではないですし、DINKsを選んで良かったことも後悔したこともあります。
本記事は全体的にDINKsのネガティブな面を意識して執筆しました。
DINKsを否定したいわけではなく、DINKsを選ぶか悩んでいるお二人に、しっかりとDINKsの悪い面を理解した上で後悔のない選択をしてほしいから、執筆しました。
子どもを持つか持たないかは、その後の人生を大きく変えます。

僕はDINKsで幸せだけど、そうじゃない人もいる。DINKsはあくまでも幸せになるための一つの選択肢だよ。
夫婦の決断は夫婦で受け止める必要があります。お互いの価値観をしっかり見せ合って、ぜひ幸せな選択をしてくださいね。
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